新・ノラの絵画の時間

西洋美術史・絵画史上重要な画家たちの代表作品と生涯をまとめました。

システィーナ礼拝堂の天井画をすべて掲載! ミケランジェロ入魂の名画の全貌

 

 

システィーナ礼拝堂について

 

 システィーナ礼拝堂は、古いマッジョーレ礼拝堂を壊した跡地に、ローマ教皇シクストゥス4世によって1473〜1481年に建設されました。設計はバッチオ・ポンテッリで、3階建ての建物となっています。システィーナ礼拝堂のフレスコ画は、初期から盛期ルネサンスにかけての名だたる画家たちによって描かれました。まさにルネサンスの至宝です。

 

 本項ではシスティーナ礼拝堂の天井画(フレスコ画)についてまとめました。礼拝堂の天井画をすべて見られる世界で唯一のページです。

 

 システィーナ礼拝堂壁面フレスコ画についてはこちらをご覧ください。

 

▶︎関連記事 システィーナ礼拝堂のフレスコ画のすべて

 

 

システィーナ礼拝堂の天井画とは?

 

 天井画は1508〜12年ミケランジェロによって描かれました。礼拝堂の500平方メートルの天井には、「天地創造」、「アダム・イヴと楽園追放」、「ノアの洪水」のエピソードを中心に、聖人、巫女、ユダ王国の王たち、キリストの先祖たちなど、300人を超える人物が描かれています。

 

 

 天井画は、中心の9枚の「メインストーリー」、その周囲に位置する「聖人と巫女たち」「4つの物語」が描かれた4隅のペンデンティブ「ユダ王国の歴代の王たち」が描かれたヴェラ部分(下図の黄色い三角部分)、「キリストの先祖」が描かれたルネット部分(下図一番外側の半円形部分で、壁と天井を結ぶ領域)で構成されています。

 

 

 

メイン・ストーリー 

 

 メイン・ストーリー部分は、「神による天地創造」、「アダム、イヴと楽園追放」、「ノアの物語」の3部構成となっていて、それぞれが3枚のパネルで成り立っています(合計9枚)。

 

 

「光と闇の分離」

 

「太陽、月、植物の創造」

 

「大地と水の分離」

 

「アダムの創造」

 

「エヴァの創造」

 

「原罪と楽園追放」

 

「ノアの燔祭」

 

「大洪水」

 

「ノアの泥酔」

 

 

聖人と巫女

 

 メイン・ストーリーの外側には、七人の聖人と五人の巫女が描かれています。

 

 

「ヨナ」

 

「エレミヤ」

 

「ペルシアの巫女」

 

「エゼキエル」

 

「エリュトイアの巫女」

 

「ヨエル」

 

「ゼカリヤ」

 

「デルフォイの巫女」

 

「イザヤ」

 

「クエマの巫女」

 

「ダニエル」

 

「リビアの巫女」

 

 

四隅のペンデンティヴ(4つの物語)

 

 四隅のペンデンティヴには4つの物語の一場面が描かれています。

 

 

「青銅の蛇」

 モーセに率いられ、エジプトを出たイスラエルの民は、苦しい道行に弱音を吐き、神とモーセを非難しました。怒った神は彼らの元へ蛇を送り込みます。蛇に噛まれて恐れおののいた民はモーセに助けを求めました。

 

 モーセは、神の言葉に従い、青銅で蛇を作り旗竿に掲げました。この旗竿を見たイスラエルの人々は、蛇に噛まれても死にませんでした。

 

 

「ハマンの処刑」

 ハマンは王であるAhasuerusをそそのかして、ペルシャの全てのユダヤ人を殺そうと計画しました。しかし、ユダヤ人の妃Estherによって彼の計画は阻止され、彼自身が10人の子供とともに処刑されてしまいます。

 

 

「ダヴィデとゴリアテ」

 ダヴィデは羊飼いでしたが、イスラエルの初代王サウルに仕え、ペルシテ人と戦って、最後には全イスラエルを収める王になりました。

 

 ゴリアテはイスラエルの宿敵ペルシテ軍の最強の戦士で、常に単身出てきてはイスラエル人を挑発していました。しかし、ゴリアテと一騎打ちをするような勇気のあるイスラエル兵士はいませんでした。

 

 そんな折、兵士の兄にお弁当を届けたダヴィデは、ゴリアテの挑発に応え、石投げだけでゴリアテに勝ってしまいます。ダヴィデの運がいいのか、ゴリアテが見掛け倒しだったのかわかりませんが、これを見たペルシテ軍は潰走し、イスラエル軍の大勝となりました。

 

 

「ユディトとホロフィネス」

 ユダヤ人女性のユディトは美しい未亡人でした。

 

 アッシリア王ネブカドネツァルは、ホロフェルネスを司令官とする軍隊を派遣し、ユダヤの地を攻撃してきました。ユディトは単身ホロフェルネスのもとを訪れると、酒宴で泥酔したホロフェルネスの首を切り落として殺害してしまいました。

 

 

 

ヴェラ部分(ユダ王国の歴代の王たち)

 

 ヴィラ部分にはユダ王国の歴代の王と家族が描かれています。

 

 

Zorobabele, Abiud ed Eliacim

 

Giosia, Ieconia e Salatiel

 

Ozia, Ioatam e Acaz

 

Ezechia, Manasse e Amon

 

Roboamo e Abia

 

Asaf, Giosafat e Ioram

 

Salmòn, Booz e Obed

 

Iesse, Davide e Salomone

 

 

ルネット部分(キリストの祖先)

 

 天井の一番外側の14のルネット部分はキリストの祖先が描かれています。

 

Eleazar e Mattan

 

Giacobbe e Giuseppe

 

Achim ed Eliud

 

Azor e Sadoc

 

Zorobabele, Abiud ed Eliacim

 

Iesse, Davide e Salomone

 

Giosia, Ieconia e Salatiel

 

Ezechia, Manasse e Amon

 

Ozia, Ioatam e Acaz

 

Asaf, Giosafat e Ioram

 

Roboamo e Abia

 

Salmòn, Booz e Obed

 

Naasson

 

Aminadab

 

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